活動報告

Activity

令和7年度 電子出版制作・流通協議会 活動計画



令和7年度の電子出版を取り巻く環境は、「読書バリアフリー法」に基づく読書のアクセシビリティ確保への取組みや、コンテンツ業界に損害をもたらす海賊版サイトの存在、クリエイター育成や創作活動そのものに影響を与える生成AIの出現で生じた著作権の法的解釈の明確化、運用ルール等々、依然として諸々の課題を抱えている。
設立16年目の節目を迎えるにあたり、諸々の環境変化に対応した今後の在り方を今一度再確認し、設定した電流協「パーパス」とそれに沿って定めた5つの行動指針を常に自らの活動に照らし合わせ、電子出版、ひいては出版業界の新たな発展の形を皆様とともに求めていく。
設定したパーパスと5つの行動指針は下記の通り。
○パーパス:「デジタルパブリッシングとコンテンツプラットフォームビジネスの新たな 読書環境づくりに貢献します」
○行動指針
・より多くの人がコンテンツを利用できる環境の実現に向けた支援活動
・電子出版やデジタル印刷を活用した持続可能(サスティナブル)な社会の実現
・最新のウェブ技術やクリエイターエコノミーがもたらす新たなコンテンツ市場創出や国内コンテンツの海外展開の推進に向けた調査研究
・デジタルコンテンツ市場の健全な発展のため、出版関連団体及び行政と密接に連携して、海賊版対策など業界が抱える共通課題の解決に向けた基準・規格作りの議論や提言などの取組み
・テーマ別研究会やオープンセミナー等を通じた最新の業界動向やオープンイノベーションの機会提供


【技術委員会】
 デジタル印刷・オンデマンド制作流通部会

【流通委員会】
 電子図書館・コンテンツ教育利用部会

【広報普及委員会】

【電子出版アクセシビリティ研究委員会】
 電子出版アクセシビリティ制作ワーキンググループ
 電子出版アクセシビリティ流通ワーキンググループ

【電流協アワード選考委員会】

【特別委員会】
 DSR特別委員会

※なお各委員会、部会、研究会の開催日は、「活動スケジュール」でご確認ください。

活動計画詳細

【技術委員会】
<デジタル印刷・オンデマンド制作流通部会>(月例開催)
・デジタル印刷技術を用いた出版である「デジタル印刷出版」の利活用促進を図るため、出版団体とも情報交換しながら導入における課題の調査や、セミナー開催などを通して好事例を広く出版界に紹介していく。また、デジタルオンデマンド出版をSDGsの実現に貢献し得る活動として広く認知させるための方策も検討していく。


【流通委員会】
<電子図書館・コンテンツ教育利用部会>(月例開催)
・コロナ禍以降急速に自治体における導入が進んだ電子図書館であるが、今後は、電子図書館における電子書籍の利用と定着に取り組むことが課題と捉えている。導入後に利用が減少することを懸念しており、そのために特に「電子書籍による子供の読書活動推進」と「中小自治体での電子図書館導入」をテーマとして考えている。
・また、電子図書館の動向を検証するため例年実施している公共図書館及び電子図書館サービス事業者に対する「電子図書館・電子書籍サービス調査」は、これまで「図書館を設置している自治体」を中心にアンケート調査を行ってきたが、今年度は、「図書館を設置していない自治体」約400自治体に対してもアンケートを行う予定である。
・チャレンジ案件として「電子図書館利用者調査」を検討している。電子図書館サービスもITサービスである以上、利用者目線を持たねばならず、現状の利用者、未利用者についての「電子図書館」の調査を図り、ユーザーサイドにたった利点・問題点を探り、各事業者のサービス品質向上に役立たせることを検討している。子供の読書活動推進に伴い、義務教育における「電子書籍利用」を図るための課題についても検討する予定である。以上の活動を、例年発行している「電子図書館・電子書籍サービス調査報告書」にて発表するとともに、セミナーや動画配信などを利用した情報発信を行う予定である。


【広報普及委員会】(月例開催)
・電子出版市場活性化のための普及・啓蒙活動を強化すると共に、当協議会のプレゼンス向上につながるような活動を推進する。
・広報的な視点から、従来から実施している会員向けセミナーやオープンセミナーに関して新たな集客や参加しやすいセミナー開催方法について検討を行うと共に、電流協アワードの実施を通して電子書籍市場の拡大に寄与していく。


【電子出版アクセシビリティ研究委員会】
-電子出版アクセシビリティ制作ワーキンググループ(随時開催)
・読書バリアフリー基本計画に謳われている「アクセシブルな電子書籍等の普及」について、制作の立場から現状を調査して課題の抽出を行い、それを解決するために必要な要件を明らかにしていく。
・会員社をはじめとした電子書籍の制作に関わる幅広い事業者と連携を行いながら、実効性のある研究を実施していく。

-電子出版アクセシビリティ流通ワーキンググループ(随時開催)
・読書バリアフリー基本計画に謳われている「アクセシブルな電子書籍等の普及」について、流通の立場から現状を調査して課題の抽出を行い、それを解決するために必要な要件を明らかにしていく。
・会員社をはじめとした電子書籍の流通に関わる幅広い事業者と連携を行いながら、実効性のある研究を実施していく。


【特別委員会】
-DSR特別委員会
必要に応じて理事会直轄で設置される委員会。業界他 団体との連携も含めて、業界における新たなサービスや 技術の導入促進に、関連する会員社から参加を募り、活動します。2025年7月からはDSR特別委員会を設置、一般社団法人日 本出版取次協会との協議・連携を行い、DSR活用による出版流通の新たな可能性を追求しています。